2023年11月4日(土)
「Waltz for November」
小川美潮vo,、江藤直子pf、大津 真g
祐天寺 FJ’s
http://fjslive.com
時間 18:00/19:00
料金 3800円 / 4300円… さらに表示

Giulietta Machine blog
2023年11月4日(土)
「Waltz for November」
小川美潮vo,、江藤直子pf、大津 真g
祐天寺 FJ’s
http://fjslive.com
時間 18:00/19:00
料金 3800円 / 4300円… さらに表示
Saxの篠田昌已さんとお会いしたのは一度だけ、80年代の終わり頃、当時自分のやっていたSunset Kidsというバンドのレコーディングに一曲参加してもらうためだった。確か国分寺時代のGok Sound。JAGATARAのちょっと怖いイメージがあったので、そこそこ緊張していたのだが、実際には温和で話しやすく実直な人であった。トロンボーンの村田陽一さんとの二管でリフを何度か重ねてもらう予定だったのだが、お渡しした譜面には間奏部分のちょっとおかしな、かつ、菅で吹くのはとても難しい(と思われる)ギターフレーズも書いてあった。それを勘違いしたのかこちらがお願いしたのか忘れてしまったが、最初に曲を流しながら試し録音するときに、その間奏をお二人が吹いてくれたのだ。それが素晴らしくよかったのでそのまま採用させていただきました。そのためその曲にはギターの間奏は無くなりましたとさ。
なぜ、そんなことを今書いているのかというと、実はメルカリ始めました。当時のCDのデットストックがほんの少し発掘されたので販売することにしました。ちなみにCDタイトルの「たいたん」はもちろんヴォネガットの「タイタンの妖女」から。爆笑問題が同じ名前の事務所を始めるよりずっと前の話です。
SUNSET KIDS『たいたん』
■Musicians:
Violin, Keyboards – 斎藤ネコ
Vocals – 伊藤ひとみ
Guitar, Keyboards – 大津真
Keyboards, Vocals – 江藤直子
Bass, Keyboards – さいのをまさあき
Drums, Vocals – れいち
Clarinet – 清水一登
Saxophone – 篠田昌巳
Trombone – 村田陽一
コーラス:藤本敦夫、くんちゃん
■Produce:齊藤ネコ & 大津真
2022/11/9(水) 渋谷公園通りクラシックス
江藤直子(Pf,Vo) 大津真(G )藤井信雄(Ds) 西村雄介(B)
ゲスト:加藤崇之(G)小森慶子(Sax)
開場19:00 / 開演19:30
チャージ:予約¥3000 / 当日¥3500
イーストワークスエンターティンメント社の解散により、長らく廃盤になっていましたGiulietta Machineの2stアルバム「Hula Pool」、2022年5月8日よりSpotify、Apple Music、Amazon Music、Youtube Musicなどで配信開始されました。江藤直子(vo, key)、大津真(g)、藤井信雄(dr)
1stアルバムから、2年ぶりとなる今作は、サンバ/ボサノヴァの要素、アコースティック楽器のジャジーな手触り、よく吟味されたサンプリング音・電子ノイズ、エレクトロニクスが生み出す浮遊感・・・etc。ジュリエッタ・マシーンの音を形成するそれらすべての要素をさらにブラッシュアップさせ、ボーカル・トラックも2曲加えたもの。その音楽は、何かの邪魔をすることなくそっと静かに漂い、じっと耳を澄まして鑑賞されることよりもむしろ積極的にBGMでありたいと密かに願っているかのような控えめな佇まいをみせながら、聴くものの耳に届く・・(Tower Recordsの紹介記事より)
イーストワークスエンターティンメントの解散により長らく廃盤になっていました、Giulietta Machineの1stアルバム「Giulietta Machine」が、リマスターされてSpotify、Apple Musicなどで配信再開されました。
江藤直子(vo, key)、大津真(g)、藤井信雄(dr)
・Spotify
・Apple Music
https://music.apple.com/jp/album/giulietta-machine/1549152922
— ライナーノーツ —
このレコードはなるべく大きな音で再生して下さい」とはロックのレコード・ジャケットにおける慣用句だけど、たまに「なるべく小さな音で再生して下さい」という言葉が似合いそうな風情の音楽にジャンルを問わず出会うことがある。ジョアン・ドナート、クララ・ハスキル、ウォーレン・G、アイレス・イン・ギャザ、ウォルト・ディッカーソン、ロバート・ワイアット、グラッドストン・アンダーソン、ラリー・ハード、ホーギー・カーマイケル、ハロルド・バッド…と挙げていくとキリが無いのだが、要はその静けさを感じさせる佇まい自体が、スピーカーから聴こえてくる旋律とは別のストーリーを物語る美しい音楽。
そして、この<ジュリエッタ・マシーン>というユニットの処女アルバムもまた、「なるべく小さな音で再生して下さい」という言葉とともに人に薦めたくなるような、厳かな存在感を放つ作品だ。サンバ/ボサノヴァの精神性を匂わせながらも、限りなく室内楽に近いジャズであるような気もするし、サンプラーを用いたアヴァン・ポップと呼びたくもなる。 –ウィスパー・ヴォイス、ギターやピアノの抑制された音色、電子ノイズ、サンバや4ビートを刻みそうで刻まないリズム、カメラのシャッターのサンプリング音、特殊な音像定位。たとえばこういったフラグメンツが曖昧に結びつくことで聴く者の官能をひどく刺激する‘装置’として機能するのが、ジュリエッタ・マシーンの音楽だ。
女1と男2という映画的記憶を呼び覚ますメンバー構成もまた、このユニットの一つの味わい。江藤直子、大津真、藤井信雄という3人のメンバーの経歴は別途プロフィールに目を通せばわかってしまうのだが、本作に接するときには一時忘れ、作品の中だけの三角関係を想像し楽しんでみてはどうだろう。それが「突然炎のごとく」なのか「淑女超特急」なのか「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」なのかはお任せする。ところでユニット名の由来を僕は知らない。「魂のジュリエッタ」でフェリーニの妻でもあるジュリエッタ・マシーナがやたら総天然色な白昼夢を見まくっていたことを思うと、プリンスの曲「エンドルフィン・マシーン」とほぼ同義で、つまりは聴くモルヒネということになるのか。いずれにせよ彼らの透き通ったサウンドは、致死量近い麻酔を含んでいるからこそ、艶やかさが漂っている。そして、その冷やかな感触は部屋の温度まで下げてくれそうだ。夏の昼下がりに何度も再生されることを推奨する。
(今村健一)