「ディスクイメージ」は、ディスク全体あるいはひとつのパーティションのように扱えるファイルです。ダブルクリックすると、通常のパーティションと同じように「コンピュータ」フォルダ(実際には/Volumesディレクトリ以下)にマウントされFinderのサイドバーに表示されます。

ディスクイメージは「ディスクユーティリティ」を使用して作成できます。

● ディスイメージの種類

OS Xのディスクイメージのファイルフォーマットは、ソフトウエアの配布形式として利用されるのdmg形式(拡張子が「.dmg」)が一般的ですが、それ以外にもいくつかのフォーマットがあります。

<表>主なディスクイメージのフォーマット

フォーマット 説明
dmg形式 標準のディスクイメージ。サイズは固定。読み出し専用(圧縮も化)、書き換え可が設定可能(拡張子は「.dmg」)
スパース形式 データ容量が必要に応じて上限まで増えていくディスクイメージ(拡張子は「.sparseimage」)
スパースバンドル形式 データ容量が必要に応じて上限まで増えていくバンドル形式のディスクイメージ(拡張子は .sparsebundle」 )
CD/DVDマスター CD/DVD作成用イメージファイル(拡張子は「.cdr」)

dmg形式のディスクイメージは固定サイズです。可変長のイメージファイルとしては「スパース形式」と「スパースバンドル形式」の2種類があります。
「スパース形式」は、ファイルを追加していくとファイルサイズが上限で設定したサイズまで増えていく可変長のイメージファイルです。ただし、このフォーマットではイメージファイル自体がひとつのファイルのため、イメージファイルをマウントしてファイルを追加/変更するとイメージファイル全体が書き換わってしまいます。そのため、たとえばTime Machineによるバックアップを行う場合には、少しの変更でもイメージファイル全体をバックアップする必要があります。イメージファイルのサイズが小さい場合にはそれほど問題ありませんが、サイズが巨大になるとバックアップディスクのスペースを圧迫してしまいます。
そこで考え出されたのがイメージファイルをバンドルとして扱う「スパースバンドル形式」です。スパースバンドル形式では、バンドル内にファイルを8MBごとに分割して保存しています。そのため、Time Machineでは変更されたファイルのみをバックアップすれば済むため、ディスク領域を有効活用できます。

● dmg形式の空のイメージファイルを作成する

dmg形式では、読み出し専用だけでなく、書き換え可能なファイルを作成することもできます。読み出し専用の場合には圧縮することもできます。次に、書き換え可能な空のdmg形式のイメージファイルを作成する方法を示します。

1. 「ディスクユーティリティを起動し「ファイル」メニューから「新規イメージ」→「空のイメージを作成」を選択します。

2. 表示されるダイアログボックスでイメージファイルの設定を行います
上部の「名前」はイメージファイルの名前を指定します。ここでは「myImage1」に設定しています。拡張子は不用です。下側のエリアではイメージファイル自体の設定を行います。「名前」ではイメージの名前を設定します。この名前でマウントされます。フォーマットは「Mac OS拡張(ジャーナリング)」を、「暗号化」を「なし」にします。サイズは「100MB」に設定しています。「イメージフォーマット」は「読み出し/書き込みディスクイメージ」を選択します。

◎図 dImg1

dmg1

3. 「保存」ボタンをクリックします。
以上でイメージファイル「myImage1.dmg」が作成され、/Volumesディレクトリにマウントされます。イメージファイルのサイズは管理領域が必要なため、ダイアログボックスで指定したサイズより若干大きくなります。また、読み書き可に設定しているため、ファイルをコピーすることが可能です。

◎図 dImg2 マウントされたイメージファイルにファイルをコピー

dmg2

● パーティションからイメージファイルを作成する

既存のディスクのパーティションからdmg形式のイメージファイルを作成するには、「ディスクユーティリティ」の左の一覧からパーティションを選択して「ファイル」メニューから「新規イメージ」→「〜からイメージ作成」を選択します。

● フォルダからイメージファイルを作成する

また、既存のフォルダからイメージファイルを作成するには「ファイル」メニューから「新規イメージ」→「フォルダからのイメージを作成」を選択し、表示されるダイアログボックスで目的のフォルダを選択します。

● スパースバンドル形式のイメージファイル作成する

スパース形式のイメージファイルを作成するには、イメージファイルを作成するダイアログボックスで、「イメージフォーマット」から「スパース・ディスクイメージ」を選択します。また、スパースバンドル形式のイメージファイルを作成するには、「スパースバンドル・ディスクイメージ」を選択します。
たとえば、サイズに「100MB」を指定したスパースバンドル形式のイメージファイル「myImage2.sparsebundle」を作成したとしましょう。

◎図 spImg1

simag1

作成直後のサイズは約20.3MBとなっています。

◎図 spImg2

simag2

これをマントして、ファイルを追加していくとサイズが上限(100MB)まで増えていきます。なお、Finderでバンドルの中身を見るには、イメージファイルを右クリックして「パッケージの内容を表示」を選択します。これでパッケージの内部が表示されます。「bands」フォルダ以下に分割されたファイルが保存されていることがわかります。

◎図 spImg3
simag3

● 暗号化したディスクイメージの作成

イメージファイルを暗号化しておくと、パスワードを入力しないとマウントできなくなります。たとえば、前述のスパースバンドル形式のイメージファイルを、暗号化を有効にして作成しておいて、必要に応じてマウントして重要な個人情報などを保存するといった使い方が便利です。
暗号化したイメージファイルを作成するには、「空の新規イメージの作成」ダイアログボックスの「暗号化」で暗号の強さを設定します。「128ビットAES暗号化(推奨)、「256ビットAES暗号化」が選択可能です。前者が速度重視、後者が安全性重視です。「作成」ボタンをクリックするとパスワードを設定するダイアログボックスが表示されるのでパスワードを設定し「OK」ボタンをクリックします。

◎図 aImg1

aimg1
◎図 aImg2 パスワードを指定

aimg2

暗号化したディスクイメージをマウントするには、パスワードの入力が必要になります。
なお、ディスクのパーティションに関しては後から暗号化できますが、イメージファイルの暗号化は作成時に行う必要があります。