Saxの篠田昌已さんとお会いしたのは一度だけ、80年代の終わり頃、当時自分のやっていたSunset Kidsというバンドのレコーディングに一曲参加してもらうためだった。確か国分寺時代のGok Sound。JAGATARAのちょっと怖いイメージがあったので、そこそこ緊張していたのだが、実際には温和で話しやすく実直な人であった。トロンボーンの村田陽一さんとの二管でリフを何度か重ねてもらう予定だったのだが、お渡しした譜面には間奏部分のちょっとおかしな、かつ、菅で吹くのはとても難しい(と思われる)ギターフレーズも書いてあった。それを勘違いしたのかこちらがお願いしたのか忘れてしまったが、最初に曲を流しながら試し録音するときに、その間奏をお二人が吹いてくれたのだ。それが素晴らしくよかったのでそのまま採用させていただきました。そのためその曲にはギターの間奏は無くなりましたとさ。
なぜ、そんなことを今書いているのかというと、実はメルカリ始めました。当時のCDのデットストックがほんの少し発掘されたので販売することにしました。ちなみにCDタイトルの「たいたん」はもちろんヴォネガットの「タイタンの妖女」から。爆笑問題が同じ名前の事務所を始めるよりずっと前の話です。
SUNSET KIDS『たいたん』
■Musicians:
Violin, Keyboards – 斎藤ネコ
Vocals – 伊藤ひとみ
Guitar, Keyboards – 大津真
Keyboards, Vocals – 江藤直子
Bass, Keyboards – さいのをまさあき
Drums, Vocals – れいち
Clarinet – 清水一登
Saxophone – 篠田昌巳
Trombone – 村田陽一
コーラス:藤本敦夫、くんちゃん
■Produce:齊藤ネコ & 大津真