カエターノ・ヴェローゾの自伝「熱帯の真実」2ヶ月かけて読了。

文体の難解さもさることながら(訳者の苦労は計り知れない)、登場する楽曲をその都度検索したりして、少しずつ読み進めたので思いのほか時間がかかったけど、ここちよい充実感。個人的なクライマックスは、軍事政権に逮捕された後、月明かりの独房で死を覚悟しながら自慰行為を試みるも不能だった件(その時の記憶から後日できた名曲がTerra)。その後、国外追放先のロンドンから、カエターノ自身が原子核と崇めるジョアン・ジルベルトの電話でブラジルに呼び戻される場面。最後に登場するデビットバーンの70年代ブラジル音楽コンピレーション「Brazil Classics」は、ほんと”宝石箱”のようなアルバムで、僕自身これを聴いてから、カエターノ周辺の音楽を掘り下げるようになった。

意外だったのが、亡命先のロンドンから帰国直後のアルバム「アラサー・アズール」を本人が作品の出来的にはあまり評価してない件。いい曲多いんだけどね。タイトル曲は我々もカバーしたことあります。ジャケットは弾けすぎだけどw

ジョアンに呼び戻された時のカエターノ、ジョアン、ガルのTV show。映像ないのかな?